寝姿勢、運動、持病…「五十肩」と楽につき合う工夫
これが基本だが、五十肩と同じような症状の病気は多く、見分けることが大切だという。
「高齢者は、肩のインナーマッスルの外側にある腱板が断裂することがあります。断裂した方の腕は痛くて上がりません。ところが、五十肩と違って拘縮がないので、痛くない方の腕で支えながら上げると上がります。もうひとつは、腱板に石灰物が沈着する石灰性腱板炎です。石灰物が腱板にあるうちはそれほどでもありませんが、それが流れると激烈な痛みを生じます。石灰性腱板炎の患者さんは、痛まない手で痛い方の腕を支えながらそろっそろっと歩いて受診されます。歩行の振動だけでも痛むのです」
腱板断裂は炎症を抑える薬物治療が基本で、手術はケース・バイ・ケース。昨年、女優の石田ゆり子が苦しんだ劇症時の石灰性腱板炎は、注射器で石灰物を吸引した上で局所麻酔剤で炎症を取り除くと、激しい痛みは治まるという。