「食べ過ぎるから太る」は誤解 肥満の正体はホルモン異常

公開日: 更新日:

 もうひとつの誤解は、食べ物は等しく脂肪として体内に蓄積されるリスクがあるとの考えだ。

「同じ量を食べても、玄米と精製されたお米では脂肪として体内に蓄積される量は違います。同じ食用油でも、動物性と植物性でも違います」

 では、何が体重を決めているのか?

「ホルモンです。1食や2食、どんなにドカ食いしても、その後の体重が大きく変わらないのは、恒常性維持機能により、その人にふさわしい体重が設定されているからです。それを維持するために、ホルモンは体内のさまざまな器官に働きかけて摂取エネルギーと消費エネルギーをコントロールしているのです」

 つまり、痩せたい人は体重そのものでなく、設定された体重の値を下げる努力が必要だ。

 現在、体重の設定値に関係していると目されているのが、ホルモン分泌をコントロールする器官のひとつである脳の視床下部だ。実際、病気や事故で視床下部を損傷すると肥満になることが分かっている。


「肥満の人はホルモンが本来の機能を果たせない異常事態にある可能性があります。例えば、脂肪の蓄積が増えると脂肪細胞からレプチンと呼ばれるホルモンが分泌されます。それが血液を通じて視床下部に届くと“これ以上脂肪蓄積が増えないよう食欲を抑えて”という信号を送ります。しかし、肥満でレプチンが常に血液中に流れていると機能しづらくなります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変