「食べ過ぎるから太る」は誤解 肥満の正体はホルモン異常
多くの人は「食べるから太る」と考えているが、本当だろうか? 力士やラグビー選手は、体重を増やすために食べる努力をするが、簡単には太れない。太れず悩む女性や老人も多い。「食べた分だけ太る」は本当なのか。早稲田大学持続型食・農・バイオ研究所重点領域研究機構招聘研究員の古谷彰子氏に話を聞いた。
「食べるから太るという考えには2つの誤解があります。ひとつは『脂肪=食事量(摂取エネルギー)―消費活動量(消費エネルギー)』という単純な計算式のみで表されるとの誤解です。その根底には、ヒトの摂取エネルギー量も消費エネルギー量も独立していて、ヒトの意思で左右できるという誤った考え方があります」
実際は食べる量が増えればエネルギー消費量も自然と増える。食べ物を消化・吸収・解毒・排出したり、そこで得た栄養分を材料に新たなホルモン、熱、骨、血液などを合成したり、呼吸をしたりするためのエネルギー消費量が増えるからだ。
逆に、食べる量が少なければこれらは抑えられ、食欲を刺激して摂取カロリーを増やす。摂取エネルギーと消費エネルギーは相関関係にあるのだ。