脳を守る食事は「2つの油」が重要 医師の白澤卓二氏に聞く
ジョコビッチは、成人になってから発症するグルテン過敏症だった。そうでない人もいつ発症するか分からない。
■子供の偏差値が上がった
それでは脳を守る食事とは、いったいどんなものか。重要なのは2つの油で、その1つがオメガ3脂肪酸だという。
「脳の細胞膜には、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸が存在します。その濃度は、神経伝達に影響を与えるため、魚を多く食べる人ほど認知機能が高いのは複数の研究で明らかです。しかも、その効果は年齢を問わず、魚を多く食べる母の母乳で育った乳幼児が小学生になると、そうでない小学生に比べて成績が高いことも複数の研究で示されています」
脳のエネルギー源はブドウ糖と考えられてきたが、最近は脂肪の代謝産物・ケトン体こそ重要と考えられる。
「脳をはじめとする神経の接合部であるシナプスには、細胞内のエネルギー工場のミトコンドリアが集まっています。ケトン体は、そこに直接作用するため、ブドウ糖よりエネルギー効率が高い。脳の神経細胞のエネルギー不足解消にうってつけで、シナプスの機能低下の改善が期待できます」