魚の脂とコレステロール 心筋梗塞などの合併症予防に効果
「日本人が長生きなのは魚を食べるからだ」という説があります。魚、特に海の魚に多く含まれる「EPA」(エイコサペンタエン酸)、「DHA」(ドコサヘキサエン酸)に代表されるオメガ3系脂肪酸がコレステロールを下げ、動脈硬化予防に役立っているかもしれないというのです。
これは単なる仮説というだけでなく、それなりの根拠がある説です。
「EPA」「DHA」と「コレステロール」「心筋梗塞」「脳梗塞」との関係を示す研究があります。日本人を対象として「EPAを投与して心筋梗塞などの合併症がどれくらい予防できるか」を検討したランダム化比較試験です。
研究では、「EPAを使わないグループ」と比較して明らかなコレステロールの低下は認めませんでした。しかし、心筋梗塞などの合併症は「EPAなしのグループ」で3.5%に対し、「EPAを飲んだグループ」では2.8%、100の合併症が89に減るという結果でした。しかし、その後に行われた欧米での研究結果を含めて検討した結論では、明らかな合併症予防効果が示されませんでした。