脳を守る食事は「2つの油」が重要 医師の白澤卓二氏に聞く
そのケトン体の材料となるのが、もう1つの油、ココナツオイルだ。ココナツオイルは肝臓に運ばれると、ケトン体に代謝されるという。
「ブドウ糖の材料が炭水化物で、ケトン体の材料がココナツオイル。小学生と中学生にブドウ糖食とケトン体食を食べてもらって偏差値を比較すると、後者の方が高いことが分かりました。ケトン体食は血糖値の変動が少なく、食後に眠くならない。認知機能だけでなく、集中力を持続させる効果もあるのです」
ケトン体を脳のエネルギー源とする食事法は「ケトジェニックダイエット」と呼ばれる。そのメニューはこんな感じだ。
▽朝食 午前7時前後にココナツオイル入りコーヒー1杯。
▽昼食 正午前後に卵料理と生野菜サラダ。
▽夕食 午後8時までに魚や肉と野菜を中心に腹八分目。
「朝のココナツオイルと、夜から朝にかけての12時間の“絶食”でケトン体が誘導されます。ただ、それには厳しい糖質制限が必要で、好きなものを食べられないのはつらい。そこで、夕飯に茶わん1杯の雑穀米やそばは食べていいことにします。アルコールも赤ワイン2杯まではOK。ただし、絶食時間は大切で、午後8時には食事を終え、午前0時には就寝してください」
認知症になる前、軽度認知障害の段階でケトジェニックダイエットを取り入れると、確実に改善する。認知機能を守れるというから実践あるのみだ。