20~40代に増加中「子宮頸がん」早期発見でも喜べない理由
■ワクチン接種は全世界で続々と導入されている
日本では子宮頚がんワクチンは現在、定期接種であるものの、「積極的勧奨」はされていない。接種後に慢性疼痛や運動障害などの症状が報告されたからだ。そのため、自治体から個人への個別通知で予防接種を勧めておらず、子宮頚がんワクチンの存在自体を知らない人も多い。WHOが推奨し、全世界で予防接種プログラムを導入する国が相次いでいる一方で、日本は稀有な存在だ。
検診で早期発見に努めればいいのでは……という声もある。
「しかし早期発見で円錐切除術がOKだとしても、前述の通り、リスクがある。初期の異形成ではがんになるかも分からないのに、定期検査を受け続けなければならない。より問題は、子宮頚がんには扁平上皮がんと腺がんがあり、近年増えている腺がんは、検診では早期発見が困難といわれている。子宮頚がんの検診には限界があると考えざるを得ないのです」
検診での早期発見は2次予防であり、必ず治療を伴う。一方、子宮頚がんの1次予防は、HPVの感染を防ぐことだ。