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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

開始は9月 英国が子宮頸がんワクチンを男女接種にする意味

公開日: 更新日:

 HPVをご存じでしょうか。ヒトパピローマウイルスのことで、子宮頚がんなどの原因となるウイルスです。

 そう言われて、「女性の話か」と思われた男性の皆さん、その意識はすぐ修正してください。「など」と書いたように、男性にも大いに関係があります。

 HPVの感染は、ほぼ100%が性交渉。それが女性器に感染すると、子宮頚がんのリスクが高まります。感染ルートは性交渉ですから、当然、男性も感染します。

 オーラルセックスによってHPVがのどに感染すると、中咽頭がんのリスクがアップ。男女とも6割がHPV感染が原因とみられます。肛門への感染は肛門がんの危険性を高め、陰茎に感染すると尖圭コンジローマになりやすくなります。

 男性も、無関係でないことがお分かりいただけたでしょう。そんな状況から、英国は9月から女子に加えて男子もHPVワクチン接種の対象にすると報じられました。2008年から12歳と13歳の女子を対象にしていたのを、同年齢の男子も含めるということです。

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