著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

遊ぶほど若い? 日本人1万人への疫学研究で明らかに

公開日: 更新日:

 生きがいを持つことは健康に良い影響を与えることが知られています。健康的に年を取るためには、適度なレジャー活動を通じて生きがいを感じることも大切かもしれません。レジャー活動にもさまざまなジャンルがありますが、どのようなレジャー活動が、どれくらい健康に良い影響を与えるのかについて、よく分かっていませんでした。

 そんな中、レジャー活動の種類と健康状態の関連を検討した研究論文が、日本疫学会誌の2019年11月5日付に掲載されました。

 この研究では65歳以上の日本人1万9人(平均73・6歳)が対象となりました。被験者に対して、「スポーツ」「ガーデニング」「音楽活動」「創作活動」、「読書」や「書道」などの文化活動、「ゲーム」「観光」「芸術鑑賞」「テレビ観賞」「料理」「ペットの世話」「情報通信技術の使用」「投資」「ギャンブル」への参加状況を調査し、レジャー活動に参加している人としていない人を比較して、自己評価による健康度が優れていると回答した人の割合が検討されました。

 年齢、婚姻状況、飲酒・喫煙状況などの因子について統計的に補正をして解析した結果、スポーツへの参加は男性において健康状態が良いことと関連していました。就労男性で1・46倍、非就労男性で1・33倍、統計学的にも有意に健康状態の良い人の割合が高いという結果です。性別や就労状況によってばらつきがありましたが、音楽活動や料理なども良好な健康状態と関連していました。

 もちろん、レジャー活動に参加できる人は、そもそも健康的な人なのかもしれません。しかし、適度なレジャー活動は生きがいを持つことにもつながるように思います。心身ともに若々しさを維持するためにも、楽しみながらレジャー活動に参加できるといいですね。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン