米国の専門誌で報告 収入が増えると心臓病になりにくい?
人の健康状態は医療だけでなく、社会環境にも大きな影響を受けることが知られています。その中でも「所得」は健康状態を決定しうる重要な要因です。収入が高い人では、低い人に比べて平均余命が長いことが報告されています。
しかし、収入の継時的な変化と健康状態に関する研究報告は限られていました。
そんな中、米国医師会の心臓病専門誌に、世帯収入の増減とその後の心臓病リスクの関連性を検討した研究論文が2019年10月9日付で掲載されました。
この研究では、米国ミシシッピ州、メリーランド州、ミネソタ州、ノースカロライナ州に在住している8989人(平均53歳、女性43%)が対象となっています。研究参加者は、1987~89年と、93~95年の2期にわたり世帯収入が調査されました。この2つの期間(平均6年間)で、世帯収入が50%以上減少した人、変化がなかった人(収入変化が50%未満)、50%以上増加した人の3つのグループに分類し、心臓病の発症リスクを比較しています。なお、研究結果に影響しうる、「年齢」「性別」「世帯人数」「飲酒」「喫煙」などの因子について統計的に補正を行い解析しています。