中年期の体重増加は要注意!死亡リスクが2割アップする
体格を表す指標にボディーマス指数(BMI)があります。BMIは体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割ったもので、一般的には18・5~25が正常と判断されます。中年期で体重が増えることは健康に悪いイメージがありますが、高年期で痩せてくる状態も健康的とは言えないかもしれません。そんな中、英国医師会誌にBMI変化と健康状態の関連性を検討した研究論文が2019年10月16日付で掲載されました。
この研究は米国の国民栄養調査に登録されている3万6051人を対象としたもので、25歳時(若年期)、研究開始から10年前(平均47歳:中年期)、研究開始時(平均57歳:高年期)におけるBMIが調査されました。得られたBMIの情報をもとに、被験者を正常もしくは低体重群(BMI25未満)、過体重群(BMI25~29・9)、肥満群(BMI30以上)の3つの集団に分類し、死亡リスクを検討してます。なお、研究結果に影響しうる、年齢、性別、身体活動量、飲酒・喫煙習慣などの因子について、統計的に補正をして解析されました。
平均12・3年にわたる追跡調査の結果、若年期から中年期にかけて肥満でない状態から肥満になった人は、正常もしくは低体重を維持した人と比較して、総死亡リスクが22%、心臓病による死亡リスクが49%、統計学的にも有意に増加しました。他方、中年期から高年期にかけて肥満から肥満でない状態になった人は、正常もしくは低体重を維持した人と比較して、総死亡リスクが30%、心臓病による死亡リスクが48%、統計学的にも有意に増加しました。
もちろん、本研究結果のみで因果関係を論じることは難しいように思いますが、特に若年期から中年期の体重増加には注意が必要かもしれません。