陽性だと大騒ぎするが PCR検査で病気を判別してはいけない

公開日: 更新日:

 ウイルスなどの病原体は特定の細胞や臓器など感染先が決まっている。病原体の表面にある分子と人間の特定の細胞の上にある構造が「鍵」と「鍵穴」のようにピッタリと結合するようになっているのだ。

新型コロナウイルスの感染に必要な細胞側の鍵穴はACE2受容体で、主に気道に存在します。だから、主に咽喉の粘膜を調べます。しかし、そこに新型コロナウイルスが存在することと、体内でウイルスが増殖して新型肺炎を起こす関係性が、現時点で証明されているわけではありません」

 実際、PCR検査で咽頭の粘膜に新型コロナウイルスの感染が確認されている8割の人は無症状か、症状があっても軽症な人たち。残り2割の人は比較的重い肺炎などを患い、亡くなる人もいる。中国の疾病管理予防センターのデータを見ると、その致死率は50歳以上から急激に上がり、80歳以上は14・8%に達しているが、それ以外の年齢層の人で亡くなるケースは少なかった。

 一般的に感染症は、“症状”がなければ病人と見なさないことを忘れてはいけない。

「例えばノロウイルス患者の中には、治療で症状が消えても1カ月以上腸内にノロウイルスが生息している場合が少なくありません。腸管から簡単にノロウイルスを排除できないからです。だからといって下痢などの症状がない感染者を徹底的に調べてノロウイルスがゼロになるまで隔離することはありません。治療により下痢症状が消えた感染者がその後、突発的に感染症を発生することはマレだからです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「マラソン」と「大腸がん」に関連あり? ランナー100人への調査結果が全米で大きな波紋

  2. 2

    “マトリ捜査報道”米倉涼子の圧倒的「男運」のなさ…海外から戻らないダンサー彼氏や"前科既婚者"との過去

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    大阪・関西万博「最終日」現地ルポ…やっぱり異常な激混み、最後まで欠陥露呈、成功には程遠く

  5. 5

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  1. 6

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 7

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  3. 8

    巨人の大補強路線にOB評論家から苦言噴出…昨オフ64億円費やすも不発、懲りずに中日・柳&マエケン狙い

  4. 9

    元体操選手の鶴見虹子さん 生徒200人を抱える体操教室を経営、“アイドル”も育成中

  5. 10

    地上波連ドラ3年ぶり竹内涼真に“吉沢亮の代役”の重圧…今もくすぶる5年前の恋愛スキャンダル