ウィズコロナ時代の紫外線対策は? 大学教授が解説
SPFの数字は、UV-Bの照射を受けると紅斑反応が生じるが、クリームを塗ることでそれがどのくらい抑制されるかとの指数だ。PAの「+」の数は、UV-Aの照射によってもたらされる「皮膚黒化」(皮膚の酸化)がどれだけ抑制できるかを示す。
SPFもPAも数値が多いほど防御力が高いことを示す。クリームを選ぶ目安については「日常生活ではSPFが『20』程度でよいが、炎天下に出掛ける際にはSPF『50』か『50+』のものを使用するのが望ましい」
とはいえ、紫外線は悪い面ばかりではない。紫外線はカルシウムや骨の代謝に欠かせない栄養素であるビタミンDを生成するという作用がある。ビタミンDが欠乏すると、小児なら「くる病」に、成人なら骨粗鬆(こつそしょう)症と骨の弱体化につながる疾患になるリスクがある。
船坂教授も紫外線のこうした作用は重要と指摘する。「ごく普通の生活をしている人なら、通勤や買い物で無意識に紫外線を浴びています。夏であれば、正午前後、数分の日光を浴びれば必要なビタミンDが皮膚で合成されます」として、あえて長時間、浴びる必要はないと説く。