著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

日光浴で乳がんが予防できる?研究論文が専門誌に掲載

公開日: 更新日:

 太陽光に含まれる紫外線はUVAとUVBに分けることができます。屋外での日焼けの原因は、主にUVBによるものです。UVAはUVBに比べて生体への影響は少ないといわれていますが、皮膚の奥深くまで到達する性質があり、シミやそばかすの原因になります。

 また、紫外線を長期間にわたり浴び続けると、皮膚細胞が障害され、皮膚がんの発生リスクを高めることが知られています。

 他方で、紫外線は皮膚の中でビタミンD生成を促すなど、生物にとって必要不可欠な側面もあります。血液中のビタミンD濃度が高い人では、がんのリスクが低下するという研究データも報告されており、皮膚がん以外のがんについて、日光浴の有益性が議論されてきました。そんな中、太陽光を浴びる時間と乳がんリスクの関連性について検討した研究論文が、環境健康科学に関する専門誌の2020年1月号に掲載されました。

 この研究は太陽の下で過ごした時間と乳がんの関連性について、過去に報告された13件の研究データ(うち北米で行われた研究が8件)を統合解析したものです。解析の結果、生涯もしくは成人期において、夏季の数カ月間に太陽の下で過ごす時間が1日1時間以上の人は、1時間未満の人と比べて16%、統計学的にも有意に乳がんリスクが低下しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に