持病が3つ以上で5倍…欧米データから見た重症化しやすい人
経済再生、東京五輪実施に向けて政府は10月1日から入国制限の緩和を始めた。まずはビジネスマン、留学生などの中長期滞在者が対象だが、「新型コロナ感染者の8割が軽症」を理由に早めに観光客受け入れ解禁になるかもしれない。感染リスクが高まる中、せめて重症化を回避するにはどうすればいいのか?
新型肺炎(新型コロナウイルス感染症=COVID―19)が日本に上陸してはや9カ月になろうとしている。当初は武漢から報告された感染急増と医療崩壊による新型肺炎の凄まじい死亡率が世界に恐怖を与えた。その後、米国のニューヨークや北イタリアなどで同様の状況となり、この新型ウイルスの致死率は数%に上るとも推測された。
一方、感染しても無症状や軽症の患者が多いこともあり、このウイルスの危険度に関する認識には専門家にすら大きなばらつきがあり、世界中で行政や医療の対応は混乱を極めた。
感染流行当初から若い人では重症化しにくいことが分かっていた。また、軽症や無症状の人からも感染することがあるとも報告されていた。さらに、飛沫や接触のみでなく、広義の空気感染があることも知られていた。従って、発熱した有症者と限られた濃厚接触者を追跡するクラスター対策や有症者のみにPCR検査を限定する感染防護方針に限界があることは予想できたはずである。このことを理解しつつも油断していた欧米では、不顕性感染の急拡散で悲惨な状態となったが、我が国では、徹底したマスク着用や手洗い・消毒といった清潔な生活習慣のおかげで何とかパニック的感染爆発は免れた。