12月11日は「胃腸の日」…“コロナ胃痛”に要注意!
自粛生活のストレスが胃の不調の一番の原因!
コロナ禍の自粛生活で、胃に不調を感じている人が4割以上もいることが明らかになった。しかも、その半数は、コロナ禍以前よりも不調の程度が重くなったと訴えているのだ。なぜ、胃もたれや胃痛の症状を抱える人が急増しているのだろうか。
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新型コロナ感染の拡大を受けて緊急事態宣言が発令されて以降の自粛生活で、10人中4人は胃に不調を感じていて、そのうち半数近くの約48%の人が緊急事態宣言以前よりも不調の程度が重くなっていることが10月に実施された緊急調査でわかった。この調査は、生活者の「健康と暮らし」に関する情報を発信しているヒューマン・データ・ラボラトリ社が、コロナ禍における〝胃の不調〟の実情を知るために全国の男女2000人を対象に行ったもの。調査によれば、男性よりも女性の方が胃の不調を訴える人がやや多い結果だった。
胃の不調を感じている方を対象に、胃の不調として考えられるものを聞くと、最も多かった回答が「ストレス」で約63%以上を占めた。次いで「食べ過ぎ」は約38%、「飲み過ぎ」が約17%の順で、これが不調の原因のベスト3に挙げられている。
「ストレスが胃の不調の一番の理由として挙げられるのは当然だと思います。コロナ禍での巣ごもり生活は、ほとんどの人がかつて経験したことのない環境の変化。この環境変化に加えて、ストレスを発散するのが難しい状況が続いたために、胃の不調を訴える人が増えたのではないでしょうか」と話すのは、消化器内科専門医であるムラタクリニック(東京都港区西新橋2丁目)の村田洋子院長。
消化管は、入ってきた食物の種類や量を感じとって消化液を分泌し、蠕動運動で食物をどんどん先に送り出すなど、張り巡らされた神経組織によって働きが精密にコントロールされている。胃腸を動かしている神経は自動的に働く自律神経だ。その自律神経はストレスが加わると乱れてしまい、胃腸の動きをうまくコントロールできなくなる。これが胃の不調を引き起こすのである。
自律神経の乱れによる胃の機能低下が胃痛を引き起こす!
胃の不調を訴えている人が症状として挙げるのは「胃もたれ」が最も多く約50%近くを占めている。続いて「胃痛」が約32%で、「胸やけ」は約29%の順。これが胃の症状のご三家だ。
胃に不調を感じている人のおよそ3人に1人が胃の痛みを訴えているのは驚きだが、「胃痛」はストレスとの関連性が深い症状だといわれていることを考えれば、なるほど納得である。
「特に病気ではなくても、自律神経の乱れなどによって胃の機能がうまく働かなくなり、胃の痛みの症状が出ることがあります。『機能性ディスペプシア』という病名で呼ばれていますが、採血検査や胃カメラ検査などを行っても、その原因となるような異常が特定できないのが特徴です」(村田院長)
■胃が不調の際にもヨーグルト。注目はLG21乳酸菌入り!
では、コロナ禍の胃の不調に対処するには、どうすればいいのか。
「自粛生活で不規則なライフスタイルになりがちです。その中で、とくに気をつけたいのは食べ過ぎないことです。もし、胃に不調を感じたら、なるべく消化の良い食品を選んで食べるようにしてください。食物繊維の強いものや油っこいものは消化しにくいので避けた方がいいですね」(村田院長)
今回の調査でも、「胃に良い」と思う食品について聞いてみたところ、第1位は「ヨーグルト」(約66%)、2位は「お粥」(約43%)、3位は「豆腐」(約34%)と、胃にやさしいイメージのある食品が上位にランクインした。ヨーグルトの中には胃の不調症状に特化した乳酸菌もあるようだ。たとえば、LG21乳酸菌を含むヨーグルトは、胃の不調症状を軽減するという効果があることも報告されている(上図)。
ちなみに、消化に良い食べ物とは、胃の中にとどまっている時間が短い食べ物のこと。ヨーグルト、チーズ、お粥、食パン、豆腐、半熟卵、牛乳、白身魚、鶏のささみ、ヒレ肉などは消化の良い食べ物の代表選手。反対に、中華麺、コンニャク、油揚げ、生卵、脂ののった魚、脂の多い肉類、レンコン、ゴボウなどは消化の悪い食べ物の代表選手である。
「消化の良いものを選んで食べると同時に、ストレスを発散させることも大事です。楽しいと思える趣味に没頭することや、体を動かすこともストレス解消につながります。散歩も簡単にできるストレス解消法なのでいいと思います」(村田院長)
趣味や軽い運動でストレスを発散し、消化のよい食べ物でコロナ禍に起こりがちな胃の不調を乗り越えたいものだ。