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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「終わりよければすべてよし」は科学的に証明されている

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 また、心理学用語で「新近効果」というものがあります。これはアメリカの心理学者であるノーマン・H・アンダーソン氏によって提唱されたもので、「最後に示された特性が記憶(印象)に残りやすく、後の判断に大きな影響を与える」というものです。

 アンダーソン氏は被験者に対し、実際の事件を題材にして模擬裁判を行いました。被験者たちを陪審員、弁護士、検事の3組に分け、その中で証言の与え方によって陪審員の判断がどう変わるのかを検証しました。証言は弁護側に6つ、検事側に6つ用意します。

 その結果、証言の数をどのように出しても、陪審員は最後の証言をした側に有利な結論をくだす傾向がある。つまり、「人は違う情報源から多くの情報を与えられると、最後に得た情報に影響を受けやすい」ことが分かったのです。コンテストなどで最後に登場する人が有利になるのは、何かを判断する際には、直近の情報を判断材料にしやすいといった心理が働くからなのです。

 科学的なエビデンスから考える「終わりよければすべて良し」とは、「いろいろあったけど、最後に良いことがあったから良かった!」というよりは、最後に得た経験の感想が、これまでの経験の感想に勝るということ。

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