点眼薬は1日5~6回まで 使いすぎで目の不調が負の連鎖に
角膜は傷ついても自己修復機能があるが、「目の酷使」「マスクドライアイ」「精神的疲労」という三重苦で修復が追いついておらず、自覚している以上に角膜の状態が悪くなっていっている人が少なくないと、堀医師は指摘する。
「文字がぼやける、目が常に乾いてショボショボする、目がかすむ、痛みを感じる、ゴロゴロ感がある、寝ても疲れ目が解消しないという場合は、ただの疲れや加齢のせいではなく、角膜の傷の可能性があります。悪化する前に適切なケアが必要です」
具体的には、VDT作業中は「目線を下げる」「エアコンの風が顔や目に直接当たらないようにする」「加湿器を使う」「1時間作業したら5分休む」。また、副交感神経を優位にして涙の分泌を促すために入浴やストレッチなどで心身をリラックスさせる。点眼薬を使う。
■適正回数を超えると、目が乾きやすく
ただ、この点眼薬の使い方を間違えている人が結構いる。
今年3月に行われた「コロナ禍の点眼薬使用実態調査」(20~60代男女638人対象。「現代人の角膜ケア研究室」が実施)によれば、点眼薬使用者の5割近くがコロナ禍で点眼数が増加。症状がひどい時は、点眼薬使用者の26%が適正回数(5~6回)より多くさしており、「回数の上限にはこだわらず、症状を感じるたびにさしている」人が約5割いた。