最新の「歩行訓練支援ロボット」は楽しみながら訓練できる
ウェルウォークは、患者の体を上から吊るして歩行訓練できるので転倒する心配がない。患者が立つ正面には大型モニターが設置されており、全身、足元、横の姿勢の3方向からの映像を映し出すことができる。患者本人も自分の体の状態を把握しながら訓練することができるわけだ。
「ロボット脚は、膝から足首、足底を覆う形になっていて、膝の部分にモーターとセンサーが入っています。そして療法士がタッチパネルで、膝伸展、足の振り出し、膝屈曲角度、膝屈曲のタイミングなどのアシスト内容を調整して歩行訓練を行います。リハビリでは、このように運動学習理論に基づいて、正しい運動フォームを反復することが重要になります」
繰り返し行う歩行訓練は、モチベーションの維持も課題になる。そのため最新型にはゲーム機能も搭載されている。「姿勢ゲーム」は、調整した軸の範囲内で姿勢を維持するとポイントが獲得でき、範囲から外れるとリセットされる仕組み。「東海道五十三次ウォーク」は、リハビリ中の歩行をカウントし、五十三次の宿場を旅するゲームだ。
しかし、医療用ロボットは進化するほど高額になる。リハビリの診療報酬(医療機関に支払われる金額)だけでペイするのは難しいという。