肺<下>呼吸器専門医が教える肺を元気にする食べ物 タンパク質が重要
「私たちが生きていくための基本的な栄養素は、『糖質』『脂質』『タンパク質』の3つです。この栄養素は体内で酸素を使って燃焼し、エネルギーに変換され、酸素が使われた後には二酸化炭素が残ります。この食事の際に消費される酸素量と、排出される二酸化炭素の量は、糖質、脂質、タンパク質でそれぞれ異なります。つまり、肺機能の弱い人が呼吸の負担を減らすには、二酸化炭素の産生が少ない栄養素を選ぶことが大事なのです」
ある時間内に、生体内で酸素が燃焼したときに消費された酸素量と、それに対する二酸化炭素の排出量の体積比を「呼吸商」という。
3大栄養素の呼吸商は次のようになる。
◆糖質のみが燃焼した場合の呼吸商は「1.0」
◆脂質のみが燃焼した場合は「0.7」
◆タンパク質のみが燃焼した場合は「0.8」
このように、「脂質」や「タンパク質」は二酸化炭素の排出量が少なく、「糖質」は呼吸という面では不利な栄養素になる。