安井謙二
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安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

腱板断裂は保存治療で治ってもその後は定期的な検査で確認を

公開日: 更新日:

「腱板断裂」は、「断裂」との深刻な響きの割には、意外と積極的な治療をしなくても十分治ることがあります。中には「五十肩」と勝手に見なして放置していても、運が良ければ都合よく治ってしまいます。医療者側からすると、言葉は悪いですが、厳密な治療をしなくても案外許される疾患と考えられます。

 しかしその一方、保存治療や様子を見るだけでいいものか、と心配しながら診察している「腱板断裂」患者さんがいるのも事実です。どのような患者さんが相当するのでしょうか。

 まず、ここでお話しした「治る」とは、単に「痛みが取れた」「腕が上がるようになった」ことを示しています。「断裂した腱板が自然とつながる」という意味ではありません。

 短期的に見れば、痛みが取れ腕が使えるようになれば問題解決です。しかし長期的に見れば、切れっぱなしの腱板に繰り返しストレスがかかることは想像がつきますね。 保存治療を行った腱板断裂が、その後どうなるかについて定期的なMRI検査で調べた研究があります。結果、腱板断裂の約半数が、1.5年で拡大していたそうです。ただし、症状が悪化するのはそのうちの約3割でした。

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