肥満・糖尿病・脂肪肝は「肝がん」のリスクを上げる…がん死亡数では第5位
「現在は若年者の陽性者は極めて少なくなっています」
C型肝炎は、1992年にインターフェロン療法が登場した当初は副作用が強く、効き目が悪く、高齢者や肝硬変などは非適応で、「最も発がん率が高い人へ治療が届いていませんでした」。
しかし現在は「直接型抗ウイルス薬」が複数種類登場しており、ほぼ全員がウイルスを排除できるようになった。
「結果、肝炎ウイルスによる肝がんは減り、非肝炎ウイルスの肝がんが増えています。その数は20年で約5倍です」
■肝がんになりやすい要素を抱えた人は多い
では非肝炎ウイルスの肝がんでは、何が原因のものが増えているのか?
まずは、肥満。
「肥満ががんのリスク因子であることはあまり知られていません。北米の90万人のコホート研究では、男性では肝がんが最も肥満の影響を受けるとの結果でした」
標準体重に対し、BMI(体格指数)が35を超えている人の肝がんの死亡リスクは、男性で4.5倍、女性で1.6倍。BMI30以上が肥満である欧米に対し、日本ではBMI25以上が肥満で、BMI35を超える人は多くないが、欧米人より日本人は肥満度が低くても内臓脂肪などの影響を受けやすいことがわかっている。