75歳の偏食医師が教える 好きなものを食べ、飲みながら健康長寿を実現する2つの秘訣

公開日: 更新日:

■免疫力をアップさせ、長寿遺伝子を活性化

「小食や断食の効果は複数の研究で証明されています。たとえば、2000年に米マサチューセッツ工科大学の学者が、空腹の時間を長く保つとサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)が活性化し長生きすることを発見しています。2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典教授が解明したオートファジー(自食作用)は、空腹状態が16時間続くとオートファジーが働くというもの。細胞が新しいものに変わりアンチエイジングの効果があるのです。空腹になると、免疫の主力となる白血球ががん細胞やウイルスなどの有害物質をエサにし処理するため、免疫力が高まる。胃腸が休まり、血液中の老廃物がなくなり、空腹時に分泌されるホルモンが脳の海馬で神経同士を結びつけるシナプスを活性化して記憶力を向上させます」

 石原医師が心掛けていることが、もうひとつある。それは「体を温める」。

「生活状態と白血球の関係を調べると、入浴後と運動後に白血球の機能が増強するという結果でした。つまり、体温が上昇すると、白血球の殺菌力や貪食力(体内の細胞が不要なものを取り込み分解する作用)が促進されるのです。体温が1度低下すると、免疫力が30%減弱するという研究結果もあります」

 石原医師が常飲している生姜湯や黒糖入り生姜紅茶は、体を温める作用に優れている。魚介類やチーズも体を温める。ジョギングやウエートトレーニングは、それ自体が体を温める上、筋肉量を増やす。筋肉の多い人は、しっかりと熱をつくることができるので、体が冷えにくい。

「同じようにはできない……」とハナから否定せず、まずはできることからトライしてみよう。朝または昼だけをニンジン・リンゴジュースや黒糖入り生姜紅茶にしたり、月1回は石原院長がやっている断食を取り入れたり、汗ばむ程度のウオーキングをしたり。GW中の1日を、新たな一歩を踏み出す日に充ててはいかが。

▽石原結實 イシハラクリニック院長。伊豆で断食施設も運営。健康に関する著書多数。最新刊の「65歳からは、空腹が最高の薬です」(PHP新書)が話題。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン