月経のたびに息切れが…女性の気胸の正体は「子宮内膜症」かもしれない
ホルモン療法は低用量ピルやプロゲスチン製剤のほか、偽閉経の状態を誘発するGnRHアンタゴニストを服用して月経回数を減らし、気胸の根本にある子宮内膜症を発症させない体質をつくるのが一般的だ。
■膀胱に発生するケースも
ほかにも、子宮内膜が膀胱にできる「膀胱子宮内膜症」を発症すると、月経時の頻尿や血尿、排尿時痛のほか、膀胱内に腫瘤ができて我慢できないほどの強い尿意を催すケースも少なくない。腹膜で発生した子宮内膜が時間の経過とともに膀胱まで浸潤し発症するとされ、婦人科検診で通常の子宮内膜症と同時に見つかりやすいという。
「月経時の排尿痛と血尿で当院を受診された40代後半の患者さんは、超音波検査で膀胱に腫瘤が見つかり、MRI検査を行ったところ膀胱子宮内膜症と診断されました。幸い手術が必要な大きさではなかったのでホルモン療法で症状は改善しましたが、腎臓から膀胱に入り込む管の部分で発症すると管を植え替える手術が必要になるので泌尿器科との連携も重要です」
2018年、日本で初となる希少部位子宮内膜症のガイドラインが作成されたことで婦人科以外の診療部でも認知度が広がり、これまでなかなか診断されず適切な治療を受けられていなかった患者の数は減ってきているという。
「全身のあらゆる不調が月経の時期と重なるのであれば、子宮内膜症が原因になっている可能性があります。一度婦人科を受診してください」