月経が終わっても不調が続く…「月経後症候群」は鉄不足が大きな原因
月経に伴う体調不良として、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)は知られているが、「月経後症候群」も無視できない。「ベスリクリニック」高橋瑞季氏に聞いた。
月経が終わったのに不調が続く月経後症候群では、気分の落ち込みや憂鬱、不安や焦り、イライラのほか集中力の欠如といった症状が現れる。また、頭痛やめまい、動悸や息切れ、だるさ、普段食べないものを無性に食べたくなる、夜間の足のむずむず感による不眠など、あらゆる不調に悩まされる。
「女性の性周期の影響だけでなく、月経の出血による鉄欠乏も影響して月経後症候群は引き起こされます。月経後半~月経後1週間にかけて心身に不調が現れますが、月経開始とともにスッと症状が治まるPMSやPMDDと異なり、症状が治まる時期がはっきりしていない。そのため、月経が背景にあると認識されにくいのです」
月経中~月経後は、貧血(鉄欠乏性貧血)になりやすく、女性ではヘモグロビンの数値が12g/デシリットル未満を指し健診で指摘されやすい。一方で気を付けたいのが、かくれ貧血(潜在性鉄欠乏)だ。貧血の一歩手前の状態とされ、ヘモグロビンだけではなく貯蔵鉄のフェリチンの値も踏まえ診断する。フェリチンの数値は40ng/ミリリットル以上が望ましい。