インフルとコロナ感染拡大…学校関係者はマスクに関する科学的研究成果を知るべきだ
コロナ感染が拡大し始めた当初、専門家に何の相談もなく、小中学校の一斉休校が決められたように、政治家の直感で物事が進んでいく状況は好ましくない。学校におけるマスクの問題も、政治家や学校関係者の直感で決まっているのだろうか。そのあたりについて次回から取り上げていきたい。
注1)コホート研究:ランダム化比較試験と異なり、治療などの、人為的、能動的介入を行わず、ただその場で起きていることや起きたこと、あるいはこれから起きることを観察する観察研究手法のひとつ。一定の集団(この集団をコホートと呼ぶ)を設定し、調査時点で、仮説として考えられる要因を持つ集団(曝露群)と持たない集団(非曝露群)を追跡して、両群の病気のかかる割合または死亡率などを比較する。
注2)相対危険:危険因子にさらされた場合、それにさらされなかった場合に比べて何倍病気にかかりやすいかを示す指標。危険因子にさらされた群の病気のかかりやすさのリスクの、危険因子にさらされていない群の病気のかかりやすさの比で表される。
注3)信頼区間:調査結果を知るための統計科学的な推測法のこと。95%信頼区間とは「同じような研究を100回行えば95回はその範囲に収まる」と推定される結果のことを言う。