著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

AGA治療薬は高い効果が期待できる一方、深刻な副作用リスクも

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 AGA治療薬の効果は成分によって異なりますが結構高く、たとえばフィナステリドであれば9割以上の方で進行を抑えられますし、6割くらいの方は改善が得られるとされています。薄毛に悩む男性にとっては、とても素晴らしいクスリだと思います。

 ちなみに、どういったタイミングでクスリを使い続ければよいかというと、「気になり始めたとき」だそうです。まだ大丈夫と思っているうちに症状が進行してしまうこともあるので、気になり始めたら一度病院を受診してみるのもひとつの手かもしれません。

 一方、注意すべき点もあります。先ほどジヒドロテストステロンは必ずしも悪者ではないという話をしましたが、ジヒドロテストステロンは男性外生殖器の形成に必要なホルモンでもあります。そのため、副作用として性欲減退や精液量減少といったものがあります。

 また、フィナステリドは胎児の生殖器に影響を及ぼすリスクがあり、さらには皮膚からも吸収されるため、特に妊娠中の女性は触れることも避けたほうがいいでしょう。パートナーとの妊娠を希望する場合には、AGA治療薬は避けたほうがいいかもしれません。

 いずれにしても、個人輸入などで入手すると副作用などのリスクが高いため、必ず病院などの医療機関を受診し、医師の指示の下で使用するようにしましょう。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

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