著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【ヤマブシタケ】認知機能改善や神経保護に役立つ“幻のキノコ”

公開日: 更新日:

 ヤマブシタケは、古代中国や日本の伝統医学で広く使用されてきました。中国では「神のキノコ」として知られ、四大珍味にあげられるほど。日本でも、山伏(ヤマブシ)という修行僧たちが精神集中のためにこのキノコを食用してきた記録があります。

 古くから、森の中での発見が難しく幻のキノコとも言われてきたそうです。名前もヤマブシが着る衣装に似た外観に由来しているのですね。また、長い白い針状の突起がライオンのたてがみを彷彿とさせることから、英語では「Lion's Mane(ライオンズマネー)」という名称が付けられています。

 収穫は8~11月で、いまはまさに旬のはしり。温暖な地域では冬や春にも見つかることもありますが、主に落葉広葉樹の枯れ木や倒木に生息し、オーク、ブナ、カエデの木などでよく見られるそうです。成熟すると黄味がかった色に変わって風味が落ちるため、収穫する際には若くて白い状態のものを選ぶのがベスト!

 そんなヤマブシタケには、エリナシン、ヘリセノンといった栄養素が含まれていて、これらが認知機能の改善や神経保護に役立つことが報告されています。研究では、神経成長因子(NGF)の生成を促進し、脳細胞の再生をサポートすることが示されています。この効果により、特にアルツハイマー病認知症をはじめとした神経変性疾患の予防に役立つ可能性があるのです。NGFは集中力や記憶力の向上につながるため、日中に活動的な場面でのパフォーマンスを高めることにもなります。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…