今こそ正しい実践的な性教育が必要…高校生に向け性教育を行う男子高校生3人組「セクテル」
年齢が近いもの同士だからこそのメリットがある
セクテルの活動として、医療機関などが運営するHP・文献などをあたり信頼のおける情報をSNSで発信するほか、ワークショップの開催、イベント登壇、中高生探究コンテストへの応募(1857件中34件のセミファイナリストに選出)、岩室医師ら性教育の専門家との対談を実施。
最近は北海道や岩手、宮城など各地から性教育の話をしてほしいとの依頼も来ている。
大事にしているのは、「自分ごと」。
「高校生である僕たちが高校生に向けて発信することで、自分ごととしてとらえられる話ができる。上から目線で、プリントの穴埋め的な授業は意味がないのです。性教育とは、人と人との関係を良好に結ぶために必要なもの。インターネットが身近になった今は、正しい性の知識を持つことが、自分の身を守るものにもなります。僕たちが岩室先生の講演をきっかけに性教育へ関心を持つようになったように、僕たちセクテルの活動に触れた人が、性教育に関心を持つようになってほしい」
最近始めたのが痴漢防止プロジェクトだ。
防犯ブザーや痴漢を知らせるアプリなどはあるが、いずれも被害者となる側の手に委ねられている。
だれでも取り組め、痴漢行為が起きない&黙認しない環境をつくり上げられるもの、かつ安価で取り扱いやすく、社会に広まりやすいものとして考え出したのが、キーホルダー。
希望する高校への無償提供用の制作費を9月30日までクラウドファンディング中だ(https://camp-fire.jp/projects/762594/view)。
▽痴漢防止キーホルダー「チカキー」。デザイナーのピーチクパーさんと一緒にデザインを考えた。ピーチクパーさんは厚意により完全無償で協力してくれたという。
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■性教育のタブー
日本で「性教育元年」と呼ばれたのが1992年。学習指導要領が改定され、小学生から性について学ぶようになった。しかし2000年代に入り性教育バッシングが起こり、以降、性教育は限定的なものになった。中学の保健の学習指導要領には「はどめ規定」と呼ばれる「妊娠の経過(=性交)は取り扱わないものとする」という一文があり、性教育にタブーが多いといわれるゆえんとなっている。