「心房中隔欠損」は治療しないと40歳で寿命を迎えるは本当なのか

公開日: 更新日:

「心房中隔欠損」という先天性心疾患があります。心臓の上部にある左心房と右心房を隔てる壁=心房中隔に、生まれつき穴があいている病気です。出生児の約1500人に1人の割合で起こるといわれています。

 胎児のときは誰もが心房中隔に卵円孔と呼ばれる穴があいています。母体から供給される酸素がたくさん含まれた血液を、胎児の肺を通過させることなく全身に循環させるための構造です。通常、この穴は出生直後に自然と閉鎖するのですが、中には閉じないまま穴として残ってしまうケースがあるのです。

 幼児・小児期にはほとんど症状が出ないまま経過することが多く、穴が5ミリ以下と大きくない場合は特に問題はありません。しかし、そのまま成長して血圧の影響が出始める年齢になると、不整脈、肺高血圧症、心臓弁膜症といった病気につながったり、心不全のリスクがアップする可能性があります。

 右心房と左心房の間に小さな穴があると、トイレでいきんだり、せき込んだりといったちょっとした拍子で血液が行き来することになります。全身から右心房に流れ込んだ静脈血と、肺で酸素を取り込んで左心房に入った動脈血が少量でも混ざってしまうということです。こうした血液の流れは短絡と呼ばれ、短絡の程度によってさまざまな心臓トラブルが起こるのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です