「心房中隔欠損」は治療しないと40歳で寿命を迎えるは本当なのか
心房中隔欠損症の治療には、外科手術とカテーテル治療の2つの治療法があります。一般的には、穴の最大径が10ミリ以上、左心房と右心房の間の短絡率が40~50%以上の場合が手術適応となります。また、穴を通して流れる血液が多かったり、息切れやむくみなどの症状がある場合も治療が検討されます。
近年のカテーテル治療では、アンプラッツァー閉鎖栓を用いた方法が登場しています。主に太ももの付け根の静脈からカテーテルを挿入し、右心房側から穴を通して左心房側に金属製の傘のような形をした閉鎖栓を配置し、穴を挟み込む形で閉鎖します。
外科手術は、右胸を小さく切開して行うMICS(ミックス)による小切開手術、または従来の正中切開で行う方法があります。いずれも、穴が小さい場合は縫い縮め、成人するなどして穴が大きい場合はパッチを当てて塞ぎます。技術的にはそれほど難しい手術ではなく、安易に考えていい加減な処置をしない限り、比較的安全に行えます。そのため、若手外科医の入門編の手術といえるでしょう。もちろん、私もこれまで数多く経験してきました。