少数意見を上手に拾える仕組み「KJ法」を取り入れよう
「KJ法」と呼ばれる、文化人類学者の川喜田二郎がデータをまとめるために考案した手法があります。KJは考案者である川喜田二郎のイニシャルから取られたものですが、この方法ではデータをカードに記述し、カードをグループごとにまとめて解説していきます。
共同作業にもよく用いられ、「創造性開発」に効果があるとされており、裁判員裁判ではKJ法を使っている裁判体もあるほどです。裁判官の意見はとても強いため、裁判官が何か話すと皆さんそれに流され、その意見が正解だと思ってしまいます。しかし、人の命や人生を決めるような裁判で、一人の意見に流されてしまうのはあってはいけないこと。そこで、KJ法のような少数の意見を取り入れられる仕組みを導入したというわけです。
方法は、たとえば「1人10個ずつポストイット(付箋紙)に意見を書いてください」と意見を集めて、それをペタペタと壁に貼っていくことで意見の全体像を見えるようにする。そうすることで、みんなの意見を埋もれさせることなく有効化することができます。
皆の前では、恥ずかしさや気後れもあって意見が言えないという人は少なくないと思います。少数意見を拾える仕組みをつくることは、特に組織の風通しを良くするために欠かせません。限定的な決断、権威的な決断から回避するためにも、ぜひKJ法を取り入れてみてはいかがでしょうか。