著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

少数意見を上手に拾える仕組み「KJ法」を取り入れよう

公開日: 更新日:

「KJ法」と呼ばれる、文化人類学者の川喜田二郎がデータをまとめるために考案した手法があります。KJは考案者である川喜田二郎のイニシャルから取られたものですが、この方法ではデータをカードに記述し、カードをグループごとにまとめて解説していきます。

 共同作業にもよく用いられ、「創造性開発」に効果があるとされており、裁判員裁判ではKJ法を使っている裁判体もあるほどです。裁判官の意見はとても強いため、裁判官が何か話すと皆さんそれに流され、その意見が正解だと思ってしまいます。しかし、人の命や人生を決めるような裁判で、一人の意見に流されてしまうのはあってはいけないこと。そこで、KJ法のような少数の意見を取り入れられる仕組みを導入したというわけです。

 方法は、たとえば「1人10個ずつポストイット(付箋紙)に意見を書いてください」と意見を集めて、それをペタペタと壁に貼っていくことで意見の全体像を見えるようにする。そうすることで、みんなの意見を埋もれさせることなく有効化することができます。

 皆の前では、恥ずかしさや気後れもあって意見が言えないという人は少なくないと思います。少数意見を拾える仕組みをつくることは、特に組織の風通しを良くするために欠かせません。限定的な決断、権威的な決断から回避するためにも、ぜひKJ法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手