「変形性膝関節症」治療の第一人者に聞く…新たに分かった発症のメカニズム
対策としてできることは、いくつかある。
「変形性膝関節症の危険因子として、肥満が挙げられます。肥満が膝関節に負担を与えている可能性に加え、肥満による糖尿病や脂質異常症などの代謝異常で、持続的に慢性炎症が起こる。これが関節軟骨の変性を招く」
肥満解消は必須。また、糖尿病、脂質異常症があるなら、その治療にあたる必要がある。
正座、しゃがみこむ姿勢は、膝へ与える負担が大きい。これらの姿勢からの立ち上がりの際には、ひねりながら立ち上がらないなど十分注意して行うようにしたい。
さらには、運動だ。
「特に膝周囲の筋力訓練は変形性膝関節症に非常に有効です。日本整形外科学会による全国調査でも、鎮痛剤以上に痛みを和らげる効果があると実証されています」
例えば、次のような方法がある。
(1)椅子に腰掛け、片方の足を水平に伸ばし、5~10秒間そのままキープ。
(2)横向きに寝て、上の脚を伸ばしたまま20センチほど上げて5秒間キープ。