著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

水虫の治療に使われる抗真菌薬は塗り薬も飲み薬も1日1回でOK

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 一方、爪白癬の場合は、症状が爪の先端だけなら塗り薬が選択され、部位によっては液体の塗り薬(ローション)が用いられます。爪白癬が重度になり、爪全体に症状が及んでいる場合は塗り薬だけでは効果が得られないことが多く、そういった時には抗真菌薬の内服が選択されます。抗真菌薬を服用することで成分が血液を介して爪の内側から効果を発揮する、といったイメージです。

 抗真菌薬は白癬だけでなく他の真菌感染症にも用いられますが、すべてに共通しているのは「1日1回でよい」ということです。これは、塗り薬でも内服でも同じです。もしも1日2回という用法で処方されたら、薬剤師は主治医に「用法は合っていますか?」と問い合わせを行います。抗真菌薬を使われている方がいらっしゃいましたら、一度、ご自身のクスリの用法を確認してみてください。1日1回になっているはずです。

 興味深いことに、高齢になると足白癬は減少傾向になるといわれています。これは、仕事で靴を履きっぱなしにしていた時間が定年などで減少し、足の環境が良くなることに起因すると考えられます。一方、加齢とともに爪が伸びる速度がゆっくりになるため、爪白癬の頻度は高くなるともいわれています。

 白癬の原因である真菌の治療は長期戦になります。症状が落ち着いたからといって自己中断すると再発してしまうので、必ず医師の指示に従うようにしましょう。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

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