教諭体制は日本一も…“国公立の雄”筑波大付属小の落とし穴
慶応幼稚舎が私立小学校の雄なら、国公立の雄と評されるのは筑波大学附属小学校(通称「筑附小」、東京・文京区)。同校が東京師範学校(東京教育大などを経て現筑波大)の附属小学校として開校したのは1873年(明治6年)。日本で最初に誕生した小学校だ。男女共学の小中高一貫で、卒業後は筑附中、そして筑附高に進学する。
「筑附高はかつて東大合格者ベスト10の常連でしたが、1990年代以降はそこまでの実績は残していない。といっても、東大には毎年コンスタントに30人台は入っているし、医学部への進学も多い。この筑附高にエスカレーター式に上がれる筑附小に合格するということは人生のプラチナカードを得るようなものなのです」
こう話すのは大手学習塾の幹部スタッフ。ただし、それが本当にプラチナカードだと言い切るには怪しい面もあるのだが……。そのあたりの疑問については後述する。
2019年度の入試(18年11~12月実施)は男子64人・女子64人の募集に対し、応募者数は国内最多の男子2032人・女子1762人。なんと、約30倍という狭き門だ。「人気の秘密はまず学費の低さ」(同)だという。初年度にかかる費用は入学金も合わせて約26万円。対して、慶応幼稚舎は150万円以上。それ以外に寄付金や学校債などの納入を求められ、その費用も数十万円かかる。