セレブママたちが嫌がる「都落ち」感で遠のく慶応の背中
早稲田実業初等部編
「早稲田実業初等部(小学校)が人気面で伸び悩んでいる理由は立地面だけではない。初動の失敗を今も引きずっている」と話すのは早稲田大の文系教授。初等部の創設やその後の動きについて内情をよく知る人物だ。
中等部と高等部を擁する早大の系属校・早実が創立100周年事業として、キャンパスを東京・早稲田鶴巻町から国分寺市に移したのは2001年。翌年には早大の附属・系属校では初めて男子校から男女共学に移行。併せて初等部を開設した。
「慶応幼稚舎を意識しているのは言うまでもありません。百数十年の歴史を持つ幼稚舎を追い越すといったらおこがましいですが、ライバルくらいにはなれると信じていた。ところが、差は開く一方だったのです」と前出の早大教授は嘆息する。
「名門小学校を目指す父兄、特にお母さま方からは場所が理由で敬遠されている」と解説するのは、学習塾で小学校受験を担当する進路相談スタッフだ。
人気校の所在地を見ると、慶応幼稚舎の電車の最寄駅は広尾、青山学院初等部が渋谷か表参道、学習院初等科が四ツ谷と、都内でも有数のおしゃれスポットにある。