「納豆臭」や「糸を引いていた」のに…マフィン食中毒問題、行政処分はナゼ見送られた?
行政指導は基本的に、常にすべての店舗の普段の衛生管理の状況を把握できないので、問題が起こったときに調査し、その時に出た検査結果でしか判断できないのが現状です。たまたまでも検出されなければ処分は見送られます」
一方で、食品等の全事業者は、食品衛生法改正で導入が義務化されたHACCP(ハサップ=2020年6月施行)に従わなければならない。これは食品や添加物の運搬、保存、販売、包装などの衛生管理に関する制度だ。垣田氏は「ハサップの違反は問える可能性がある」と指摘する。
「18℃の環境で5日間、3000個を保管していたと言われますが、業者は保健所の指導を受けていたのかは疑問です。また消費・賞味期限の記名表示は妥当だったのか、食品表示法違反などまだ問えていない点はあります」
ただし、違反が認められても、現行の食品衛生法は、ハサップに従った衛生管理に対応しなかったこと自体への罰則はないという。