日大アメフト部薬物事件が「日東駒専」の序列に与える影響 相次ぐ不祥事の陰で躍進する大学も
日大の理事会は15日、薬物事件を起こしたアメフト部の廃部を決定した。日大の入試への影響は避けられそうにない。
今年8月、東京・中野にある日大アメフト部の寮で大麻の植物片と覚醒剤の成分を含む錠剤が発見され、これまでに部員4人が逮捕・書類送検された。
この事件を巡り、元検事の沢田康広副学長が寮で大麻と疑われる植物片を発見後、12日間警視庁に連絡せず大学で保管していたことが発覚。大学ぐるみの隠蔽が疑われたことが、受験生とその保護者の心証を一層悪くしたという。
「事件が明るみに出たタイミングが非常にまずかったといえます。部員が逮捕された8月上旬から5カ月にわたってこの事件が報道され続けています。8月は高3生の総合型選抜、学校推薦型選抜の最終決定の時期です。ちょうど一般入試の志望校を絞り込む時期とも重なります。事件の影響は志望者動向からも明らかです」(大学ジャーナリスト・石渡嶺司氏)
日大の不祥事はこれが初めてではない。18年の同部の悪質な反則タックル問題。さらに、21年には付属病院の建て替え工事を巡る背任事件や、田中英寿元理事長の逮捕など、大学幹部の不祥事が相次いだことも記憶に新しい。