ふるさと納税に制度欠陥…仲介サイトの独自Pが自治体には負担、返礼品の魅力で偏る寄付金

公開日: 更新日:

「過去にあったアマゾンギフト券やその自治体に全く関係のない商材で寄付金を獲得するのは邪道で、こうした行き過ぎたやり方は是正されています。しかし、寄付の目的が自治体への興味や支援より、お得な返礼品である状況に変わりはありません」(渡辺広明氏)

 毎年、宮崎県都城市や北海道の紋別市、根室市など、牛肉や魚介などが豊富に取れる産地に寄付金が集中している。

「ホタテやカニ、牛肉など名産品のある自治体にどうしても寄付金が偏りがちですが、地場のものを活用して寄付を募るため、不公平感が出てくるのはある程度仕方ありません。これから地方は衰退していく一方のため、条件が恵まれていない自治体も、これをきっかけに魅力的な返礼品の開発や地元のアピールに知恵を絞るしかないと思われます」(渡辺広明氏)

 一方、ふるさと納税による税収流出が著しい東京23区や横浜市、名古屋市など大都市圏の自治体からは不満の声が聞かれる。さらに、控除対象になる収入に上限が設けられていないため、高所得者優遇の是正を求める声もある。ふるさと納税が本来の意味で地方の活力となる日は来るのか。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  2. 2

    ニデック永守重信会長の堪忍袋の緒が切れる? 「売上高4兆円」達成に不可欠な牧野フライスの買収が難航中

  3. 3

    巨人・田中将大の早期二軍落ちに現実味…DeNA二軍の「マー君攻略法」にさえなす術なし

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    茨城県知事の異常な県政を朝日も毎日も報じない不思議…職員13人が自殺?重大事件じゃないか!

  1. 6

    立憲民主党の凋落は自民党以上に深刻…参院選改選組が国民民主党に露骨なスリ寄り

  2. 7

    小芝風花&松坂桃李は勝ち組、清野菜名は貧乏クジ…今期ドラマ「トップコート」所属俳優の泣き笑い

  3. 8

    阿部寛「滑舌問題」はクリアできそうだが…新日曜劇場『キャスター』で国民的俳優が試される“唯一の心配事”

  4. 9

    浜田雅功の休養の裏で着々と進む松本人志との"今夏ダウンダウン完全復帰計画"…プラットフォームに本腰

  5. 10

    誰トク?広がる地方私大の公立化…見送られた千葉科学大は「加計学園」が運営撤退も大学存続