北千住「千住の氷見」で“係”のお姐さんを味方につけて…安心感の中、大箱酒場の醍醐味と幸福感を味わう
おつまみが目白押し
が、こんな店では数人で飲むのも楽しい。それは多くのツマミを味わえるから。おつまみ豊富な永見では食いたいものが目白押しだ。大人が好む酒のアテから子供が喜びそうなコロッケ、焼き鳥、鳥軟骨つくね焼など目移り必至。そういえば子供の頃、親父と一緒に行く大衆酒場で食べたツマミはことのほかうまかった。唐揚げ、赤ウインナー、ポテトフライ……。リボンシトロンを飲みながら唐揚げを頬張るアタシの横で、浴衣姿の親父が塩をなめなめ升酒を飲んでいたっけ。そんな姿を見ながら自然と酒場の流儀を覚えたのかもしれない。
そんなことを考えながら先ほどのお姐さんと目が合う。何も言わずにお酒がやってきた。いいね。お姐さんに「今の店主は何代目?」。すると「4代目。ね?」と言ってアタシの斜め前で腕を振るっている若い男性を指した。名刺を渡すと礼儀正しく「永見です。よろしくお願いします」。立場は違えど、きっと4代目も先代やお姐さんたちを見て酒場の流儀を学んだのかなあ。ふと、そんなことを思うのでした。 (藤井優)
○千住の永見 足立区千住2-62