小林鷹之氏「総裁選出馬会見」は拍子抜け…報道陣150人詰めかけるも、裏金議員に“忖度”
■「自民党の調査には限界がある」
気がかりだったのは、目下、国民の最大の関心事である裏金事件について、切り込んでいく姿勢がまるで見えなかったことだ。肝心の実態解明などについて、約30分に及んだ前半のスピーチでは一切触れずじまい。ようやく言及したのは、後半の質疑応答で促されてのことだった。実態解明に後ろ向きな党の態度や再調査の必要性について問われるとこう答えた。
「私も実態がよく分からない思いはあるが、権限を持っている検察当局が調べる中で不起訴処分となった。そんな中で、自民党の調査には限界がある」
実態は分からないけど、もう調査はしないというわけだ。それも、岸田首相や党執行部が繰り返してきた弁明と全く同じ理屈だ。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「生まれ変わると言うのなら、当然、裏金事件の徹底調査をイの一番に掲げるべきです。ところが、ほとんど言及しないのですから、ヤル気がないのでしょう。それに、全体を通して発言が抽象的で、これまでのアベスガ岸田政治と何が違うのか分からない。要するに、刷新とは名ばかりで、何も変えないと宣言したも同然。古い自民党政治と何ら変わらない印象です」