小泉進次郎は「サラリーマンの敵」…解雇、労働時間の規制緩和ブチ上げで「企業の味方」ハッキリ
横文字を交えて壮大に語ったところで、要するに企業が労働者を解雇しやすくするということ。一応、企業が学び直しと再就職支援を義務付けることを前提条件に「こうした改革を進めれば、大企業をめぐる人材が動き出す」と胸を張ったが、そううまくいくのかどうか。日本労働弁護団常任幹事の嶋﨑量弁護士がこう言う。
「実際の課題は流動性に欠けるというよりも、そもそも人手が足りないこと。労働者はいつでも職場を離れられるはずが、退職代行サービスが物語るように、実態は辞めたくても辞められない、いわば退職への妨害が生じている。企業側の強引な引き留めによるものもあれば、転職したい職場の労働条件が十分に可視化されていないがゆえに『動きたくても動けない』ケースもある。労働者の辞める自由が確保される状況をつくり、使用者がより良い労働条件を出して競い合うのが筋でしょう。そうでなくても、すでに不当解雇が蔓延している現状なのに、解雇しやすくすれば失業者が増えるだけではないか」
解雇規制を緩和せずとも、企業はその気になれば配転や転勤を命じることによって「事実上のクビ」を宣告することも可能だ。なお企業側に立つとは、サラリーマンの敵である。