不二家、コージーコーナーも苦戦…街からケーキ屋が減っているワケ
“コンビニスイーツ”が初めて注目されたのはローソンが2009年に発売して大ヒットした「プレミアムロールケーキ」。ファミリーマートやセブン-イレブンも参入し、この流れは大手の洋菓子店に影響を与えた。
「われわれのような個人経営店は、高品質な商品や、誕生日用の商品などで差別化できますが、大手生洋菓子チェーンは手軽さで勝る量販店やコンビニに勝てなかったのでしょう」(杉並区のケーキ店店主)
不二家洋菓子店は2014年度末時点では982店舗を運営していたが、2019年度末には829店舗まで減少した。昨年度には900店舗台まで回復したが、増えたのはスーパー内で運営する「納品店」。2021年度に納品店は同社店舗の3割を超え、「昨年9月時点で約半数に迫った」(不二家)。納品店は賃料や人件費の多くをスーパーが負担する形式の店舗だが、路面店より小規模で店舗当たりの売り上げは小さい。
全国に約400店舗を運営する銀座コージーコーナーも近年は売上高が横ばい。首都圏直営店の店舗数は昨年1月の約200店舗から1割減に。物価高に伴う値上げが影響しているという。今後は、西日本への出店を強化する方針だ。