韓国という国がなぜか羨ましい…大統領の暴挙にすぐ立ち上がった市民の意識
帰国して事件の資料を探したり、韓国の人間から話を聞いたが、情報は極めて少なかった。
その全が退陣して、韓国は民主主義の優等生といわれるくらいまでになった。ネットの普及で市民メディアが大統領選まで左右する力を持ってきた。だが、朴の娘・朴槿恵が退陣するまで光州事件について大っぴらに語ることはタブー視されてきたようだ。
先週の12月3日、韓国の市民たちにあの「悪夢」を思い起こさせる事態が出来したのである。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が突然、民主主義を封殺する「非常戒厳」を宣言したのだ。
国会は野党が多数のため「政治が停滞している」ことが理由だといわれるが、一説には「妻の金建希(キム・ゴンヒ)がドイツ車の輸入販売会社の株価を不正に操作」した疑惑で、彼女の捜査を行う法律が10日に成立するのを阻止しようとしたのではないかともいわれているようだ。支持率も10%台まで落ち、破れかぶれの末の暴挙だったのか。
韓国の憲法では、国会で決議すれば戒厳令を解除できると定められてはいる。だが、それよりも、戒厳令と聞いて市民がすぐに反応し、反対するデモが国会前を埋め尽くした。野党も弾劾訴追に動いた。尹はわずか6時間後に非常戒厳を解除せざるを得なくなった。