ホストやキャバ嬢が大手企業の“偽造身分証”を悪用…ワケあり顧客御用達「アリバイ会社」の大胆手口
「ホスト、キャバクラ、風俗嬢など夜職の従業員はなかなか部屋を貸してもらえず、アリバイ会社に頼るケースが多い。荒田らはネットの登記情報サービスを使って企業の情報を調べ、会社のデータを無断で使用。プラスチックのカードに会社名や所在地、顧客の名前、顔写真をプリントし、複数の保険証や身分証を大量に偽造し、偽物の源泉徴収票まで発行していた」(捜査事情通)
■不正入居ビジネスの実態
荒田容疑者は以前経営していた不動産会社で、アリバイ会社を使って偽造身分証を入手。2021年ごろから自らもアリバイビジネスをはじめ、田沢容疑者と庄司容疑者を誘った。
「田沢ももともと不動産会社で働いていて、18年から自社でアリバイ会社を使うようになった。そこへ荒田から『保険証の偽造ができます』というファクスが送られてきた。偽造された保険証を確認すると、あまりにも精巧だったため、荒田と組むことにした」(捜査事情通)
顧客を集めるのはもっぱら田沢容疑者の役目で、荒田容疑者と庄司容疑者が1件あたり2万2000円で偽造を請け負い、大企業の身分証を作る場合は3万円、成功報酬として家賃1カ月分の5割を受け取っていた。創業当時は年間10件ほどの依頼しかなかったが、その後、7年間で500件まで増えた。