高級シャンパンのラベル貼り替え“ドンペリ偽装”の狡猾手口…72本を買い取り店に持ち込み580万円ダマし取る
詐欺グループは安いドンペリを購入し、高級ドンペリのラベルに貼り替え、現金580万7000円をだまし取っていた。
「ドンペリゴールド」と呼ばれる高級シャンパンのラベルを偽装し、偽物を売りつけたとして、自称コンサルタント業の粟野愉和(30)、会社員の桑原廉(22)、運送業の障子龍之介(33)、会社員の山田翔悟(22)の4容疑者が先月、詐欺と商標法違反の疑いで大阪府警吹田署に再逮捕された。
粟野容疑者らは2023年4月、「ドンペリ白」と呼ばれるシャンパンを72本購入(買い取り価格は1本3万3800円)。「ドンペリゴールド」(同12万9000円)のラベルを貼り直して、5回に分けて吹田市と茨木市の買い取り店3店舗に持ち込んだ。
「白もゴールドも同じ瓶を使用しているところに目を付けたようや。ゴールドの空き瓶のラベルを剥がし、白の瓶に貼り替えとった。ゴールドは木箱付きのため、木箱に入れて買い取りを申し込んでいた」(捜査事情通)
2カ月後の6月、買い取り店の従業員が偽装に気付き、被害届を提出。吹田署が捜査を進めていた。持ち込まれた72本の「ニセモノ」のドンペリゴールドのうち、67本は販売されず、店舗に残っていた。
偽ゴールドのインチキが横行
「粟野が主犯格で他のメンバーは儲け話を聞きつけて集まったようや。あくどいホストクラブやガールズバーでは、ゴールドに見せかけて客に白を飲ませるインチキが横行している。そのノウハウを誰かから教わり、マネしたんちゃうかな。ゴールドか白かなんて素人が飲んでも味の違いなんか分からへんし、バレてへんだけで同じことをしとるヤツがおるかもしれん。ゴールドの空き瓶は店のディスプレー用として、木箱とセットでオークションサイトで3000円ほどでいくらでも売っている。瓶もラベルも木箱もホンマもんで、中身だけニセモノやった」(前出の捜査事情通)
21年9月、大阪府八尾市の無職の40代の男が全く同じ手口でゴールドのラベルを「白」のボトル2本に貼り替え、大阪市の古物営業店に計8万円で売却。23年9月に逮捕され、罰金刑が確定している。
今回、たまたま買い取り業者が気付き貼り替えがバレたが、高い金を払い、安いドンペリを飲まされているかもしれない。