露呈した錬金術 日大・田中理事長の野望は“五輪に相撲を”
JOCに太いパイプがあるからといって、それで相撲が五輪種目に採用されるわけではない。五輪種目の採用にはさまざまな条件を満たす必要があるからだ。
■52億円の分配金
その最たる条件が「男子は4大陸75カ国以上、女子は3大陸40カ国以上にわたって広く行われている競技」であること。この条件を満たすのは容易ではないが、相撲は他のスポーツと違って、用具をそろえるためのカネも広い場所も必要ない。柔道やレスリングと比べてルールは明快だし、短時間で決着がつく。いまや日本を訪れる外国人たちも大相撲には興味津々で、国技館を訪れる海外の旅行者は後を絶たない。
92年に国際相撲連盟が創設されたのも、五輪への参加を目指したからだし、実際、1次選考で漏れたものの相撲も東京五輪の追加種目に立候補している。実現するかどうかはともかく、田中理事長が野心を抱く下地はあるのだ。
ところで、IOC(国際オリンピック委員会)は収入の90%超を各国のオリンピック委員会、五輪の大会組織委員会、各競技の国際競技連盟(IF)に分配する。