告訴状受理 警視庁の標的は日大アメフト部の“日常的暴力”
「今回のように実行した者を除く告訴状の受理は、まれなケースであると思われます」
日大アメフト部員の悪質タックル問題で、被害者の父親が、内田正人前監督と井上奨前コーチの2人について傷害容疑の告訴状を警視庁調布署に提出。受理されたことを受けて、1日にフェイスブックにこう投稿した。
関東学生アメフト連盟はくだんのタックルを、内田前監督と井上前コーチの指示と認定。2人を罰則規定で最も重い永久追放に相当する除名処分にした。タックルを浴びせた本人以上に、指示した首脳陣の責任は重いという判断だ。被害者の父親もそう受け止めているからこそ、あえてタックルした選手を外して告訴したのだ。
すでに提出されている被害届が被害事実の申告なのに対し、刑事告訴は処罰まで求める手続き。それが受理されたのは、捜査義務が生じることを意味する。
実際、警視庁の捜査員が日大施設を訪れ、日大関係者からの聞き取りを実施。今後、捜査を本格化させる見通しだ。
とはいえ、被害選手の父親が投稿しているように、タックルした本人を除いた告訴が受理されることが「まれ」なら、大学体育会の試合中のプレーが捜査対象になるのもレアケース。それだけに警視庁の捜査はくだんのタックルにとどまらないどころか、“本丸”は別にあるともっぱらだ。