智弁和歌山・中谷新監督に聞いた 名将の後継としての覚悟
28日に登場する智弁和歌山(和歌山)の中谷仁監督(39)は、昨年8月に甲子園最多の68勝を挙げた高嶋仁監督(現名誉監督)の後任として、母校2代目の監督に就任した。高校3年時の97年夏に全国制覇し、同年ドラフト1位で阪神に入団。楽天、巨人と合わせて15年間プレーし、巨人のブルペン捕手も経験した。その中谷監督に名将の後を引き継ぐ重圧などについて聞いた。
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――名将の後を引き継ぐのは大変な決断だったのでは?
「周囲に相談したら、『やめときなはれ』という声が多かったです(苦笑い)。休みはありませんし、まして高嶋先生の後で比較もされる。そう考えたら、受けない方が穏便な生活ができるのは目に見えていましたから(苦笑い)。でも、覚悟を決めたのは、高嶋先生、理事長先生に声をかけてもらったことはもちろん、僕自身の罪滅ぼしでもあるんです」
――罪滅ぼし?
「智弁和歌山の『プロ1号』としてチャレンジさせてもらって、注目してもらえた中で結果を残せなかった。たとえば城島健司さん、阿部慎之助さんのように活躍して智弁の名前を売ることができればよかったですけど……。プロ野球人生が終わって、小さいことしかできないとは思いますが、学校や後輩、高校野球に尽くすという違う形で、何かできればと思ってます」