陸上・田中希実 東京五輪入賞は「歩幅と持久力」がカギ
「野口は150センチの体を目いっぱいに使って広い歩幅で跳ぶように走るストライド走法だった。自分の身長と同じくらいに歩幅を伸ばしたことが奏功した。ちなみに、身長163センチの高橋尚子より歩幅が広かった。田中は足の回転速度で推進するピッチ走法ですが、股関節の動きを含む下半身強化で歩幅を2、3センチ広げたい」
もうひとつの重要課題は持久力だ。
「1周72秒ペースでゴールは15分。70秒なら14分35秒です。今は女子でもトップランナーのラスト1周は60秒を切る。田中は800メートルや1500メートルで養ったスピードと持久力がここで生きてくる。スピードアップには限界がある。終盤にスピードが落ちないスタミナとテクニックを会得したい。たまには1万メートルを走ることが必要。コーチの父(健智氏)と2人で世界を見据え、準備をすることです」(澤木氏)
五輪は出場するだけで終わるつもりはないという田中親子。96年アトランタ五輪の志水見千子(女子5000メートル4位)以来の入賞を目指す。